2012/06/30

エルフ戦記 Ⅲ




 大秦国は大月氏西方の大国なり。太陽神の妹と称す寄与を女王となし、都羅馬の貴人が合議で政(まつりごと)をしている。

 不老と言われる寄与は建国以来常勝であり、周辺の夷狄から神と尊ばれていた。申馬台、数奇台、丁零などはその類(たぐい)である。精強を誇る匈奴さえ隔年で遣いを送るのは広く知られているとおりだ。

 武帝の治世の三年目建元二年に張騫が西域に派遣されたのは大月氏との同盟だけでなく、大秦国の情勢を探るのが目的だったと言われている。


 一説に言う。南蛮夷の崇拝する夏罹摩亭観音も女王寄与を示すと。しかしながら、これは誤りであろう。もしそうなら漢は既に包囲されているに等しいことになる。

曹大家著『西域志』